こんな高級な場所でこんなこと。



芹沢?さんにも申し訳ないし、呆れられたよね。



「それを心配してたの?」


「え、___」


「あ、名前聞いてもいいかな?」


「成瀬です。成瀬莉央」


「莉央ちゃんか。可愛い名前だね。誘ったのは僕のほうだし、莉央ちゃんに払わせたりしないから安心して?」




可愛い…




わかってる。

名前が可愛いってことだよね。



これまでも、名前を褒められたことは何度だってあったし。



「誘っておきながらなんだけど、莉央ちゃんってお酒飲める年齢かな?」


「あ、はい。20歳なので飲めますけど、お酒はあんまりで…すみません」



はぁ…ほんとわたしって楽しくない女だよね。


ここは無理してでも飲むべきだったかな?




「そっか。じゃ、今日は僕も1杯だけにしておこうかな」