愛して、芹沢さん

さすがに見過ぎだったよね。




「謝るのはこっちのほうかもしれないね」


「え?、___」



「妻が迷惑かけたんじゃない?」


「全然です!むしろ褒めてもらったりしちゃって…嬉しかったです」


「それならいいんだけど。君、大学生?」


「はい。3年になります」


「まだまだ勉強盛りだね」


「でも、勉強という勉強はできてなくて…」







夢がないわたしに目標はない。




だから、勉強する理由も見つからない。






なんとなく大学に進んだだけのことで、大学に入れば夢は自然と見つかるものだと思っていたけど、それは違ったみたい。






「巳景さん、こっちにするわ」






選んだネクタイを満面の笑みで見せてくる。