愛して、芹沢さん

ハッとした時には、芹沢さんに腕を掴まれていた。


ゆっくり顔を上げると、そこには優しい笑顔をした芹沢さんが。




「やっぱり莉央ちゃんだ」


「こ、こんにちは」


と挨拶しながら、チラッと相手の女性に視線を向ける。



間近で見ると倍綺麗。


それにほのかにいい香りがする。



「今帰り?」

芹沢さんの声に「はい」と返事を返す。


「そっか。じゃ、家まで送るよ」


「えっ、___」



な、な、なんで!?


なんでそうなるの!?

それに相手の女性は大丈夫なの?



「そういうことだから。ここで失礼します。行こ、莉央ちゃん」