愛して、芹沢さん

た、確かに!


わたしなんかより、芹沢さんだよ。




「僕なら歩いて行くから大丈夫。次の会食の場所、ここから近いからね」


「会食?…」



芹沢さん、これから会食なの?



今、食べたばっかりなのに?


会社のトップクラスって、こんな感じなの?




「これから1件だけ会食が残っててね。運動がてら歩いて行くから、莉央ちゃんは車使って帰りな?」


「っ…本当にいいんですか?」


「食事に付き合ってくれたお礼。だから、気にせずに使って?じゃ、莉央ちゃんのこと頼んだよ、真木」


「承知しました。では、こちらへどうぞ」



と車に案内され、乗る前にもう一度、芹沢さんに頭を下げた。





すると、笑って手を振ってくれていた。