愛して、芹沢さん

「そこに停まってる車、莉央ちゃん自由に使ってくれていいから」




とわたしの背後に視線を向ける芹沢さんにつられ、同じように視線を向けて唖然とする。



そこには見たことのない高級外車が。



その車から１人の男性が降りてくるなり、芹沢さんに声をかけた。





「社長、勝手にスケジュール変更されるのは困ります」




…しゃ、社長！？！？


その言葉に一瞬だけクラッと目眩が。




わたし、とんでもない人と食事してたの！？


そのとんでもない人の眼鏡を壊したの…！？




「あぁ、ごめんごめん。次からは気をつけるから。それより、莉央ちゃんのこと送ってあげて？」


「えっ、わたしなら大丈夫です！まだ電車もありますし」




これ以上、迷惑はかけられない。


というより、かけたらやばそう。



「それは構いませんが、社長はどうなさるおつもりですか？」