愛して、芹沢さん

一生に一度、来れるかわからないところに来ることができて、今日はよかった。


壊してしまった眼鏡は別として。




デザートを食べている間、芹沢さんは優雅にコーヒーを飲んでいた。




その大人の雰囲気の中に見え隠れする色気のようなものに、終始わたしの心臓はドキドキ、___





「あの、今日はご馳走さまでした。それから、本当に眼鏡ごめんなさい」



レストランを出てすぐに頭を下げた。




いつの間にかお会計は済まされていて、そのスムーズさに驚きを隠せなかった。



大人の男性はみんなこうなのかな?



いや、でもお父さんはこんなことできない。




かなりの不器用さんだもん。



「こちらこそ、付き合ってくれてありがとう。すごく楽しかったよ」




そう言ってくれた芹沢さんの声に頭を上げると、優しい笑顔を見せてくれていた。



素敵な笑顔、___