朝になった。

歌乃は魔法にかかったように気持ちよく朝まで眠れた。

今日はなんだか久々に体調が良い気がする。

あ、そういえば、昨日、先生にキスされた?あれは夢だったのか?

アタシ、熱で変な夢でも見てしまったんだな…

「歌乃ちゃんおはよう〜!」

「先生おっはー!」

歌乃は元気に挨拶した。

「今日は顔色もいいし、元気がいいね!!」
「先生の..おまじないが聞いたかな??…」

先生はちょっと恥ずかしそうにアタシに聞いてきた。

ちょっと待って、、やっぱりアレは夢じゃなかったんだ!!

歌乃は急に恥ずかしくなった。

「え、うーん、元気!元気!」

歌乃は分かりやすく誤魔化した。



歌乃は嫌々ながらも治療を受け、回復に近づいている。

先生は学会に出かけてて3日留守らしい。なんか少しだけ寂しかった。

先生がいないのに発作が起きたらと考えただけで冷や汗が出て来た。




待ちに待った今日この日。先生が帰ってくる!

そして今日先生に退院許可が貰えれば退院!

ガラガラ…

「ウタ〜!!!」

「えっ、、、」

入って来たのは担任の九重尚輝。

「今日退院かもって聞いたから退院祝いに来たぜ!!!ほらこれ菓子!」

「なんでお前が知ってるんだよ!」

「まあな!!」

ガラガラ…

「歌乃ちゃんおはよう!気分はどうかな?」

……

「よっ!大輝!!ちゃんと病院の先生らしくやってるじゃん!」

「はい、うるさいので出て行ってください〜!これから診察です〜」

「待って2人知り合い?てか2人とも九重じゃん、まさか親戚とか?」

「俺たちね実は双子なの!!」

「え!!!!嘘でしょっ…全く似てないんだけど!!」

歌乃はいきなり恥ずかしくなってきた。
病院での出来事、担任の九重にも筒抜け?嘘でしょ!!!!

「俺たちよく似てないって言われるんだ笑笑!!」

先生が学会から帰ってくるのちょっとだけ楽しみにしてたのに…衝撃の事実がわかった朝だった。
歌乃はその後いやいや診察を受け、無事に退院が決まった。

退院にはなったけど、1週間後経過を見るから来てって言われちゃったよ〜。

でもこれで学校に行ける!

レッスン遅れた分取り戻さなきゃ〜!