「ゴホゴホゴホッ。」

夜中苦しくなって、看護師さんが来てくれた。

「歌乃ちゃん、今先生来るからね〜!」

看護師さんは背中をさすってくれた。


苦しすぎて、息ができなくて、吐きそうになる。

「ゴホッゴホッ、オェェゴホッ…」

容器に少し吐いてしまった。

ツラい。

先生助けて。


「歌乃ちゃん〜!大丈夫だからね!」


「吸引と吸入!準備して。」

看護師さんにコソコソ指示出すのやめてよ!!

怖いよアタシに何するの。



看護師さんが機械を持ってきた。

拒否したくても声にはならず、思わず手で口を隠す。

「歌乃ちゃん!今から息がしやすくなるように、喉のお掃除するからね!すぐ終わるから大丈夫だからね!」

コクッ。

歌乃はうなずいた。

看護師さんは慣れた手つきで歌乃の顔を抑える。


歌乃は怖くなり手を出す。

「歌乃ちゃんこれで苦しいの良くなるからね〜頑張ろう〜」

チューブが口から入れられた。

吐きそうになる。

「ジュボジュボゴボゴボ。オェェ…」

何か吸っている。

チューブが入ってきて、気持ち悪くなって、少し吐いてしまった。

「オェェ…」


「オェェ…オェェ」

息はしやすくなったが、チューブを入れられた感覚が残っていて嘔吐反射が止まらない。

涙が出てきた。

「大丈夫だよ〜、気持ち悪かったら吐いていいからね!」

看護師さんは優しく声をかけながら背中をさすってくれてる。

「オェェッ、オェェッ。」

何も出ないけど、気持ち悪さが治らない。


先生はパソコンを打ち、看護師に任せてどこかへ行ってしまった。


「もう大丈夫…」
「うがいしたい。」

「今水持ってくるね!」

「洗面所まで行きたい!」

「大丈夫???」

「うん、容器にうがいしたくない。」

手を貸してもらって部屋にある洗面所まで付き添ってもらった。