ガチャ。

パチ。

電気をつけて面談室に入った。

「歌、ここ座って!!」

「話すことないけど」

「話すことなくても話さないと俺が怒られちゃうよ!!」

「めんど」


「歌、進路なんか決まってる?」

「なにも」

「大学行きたい!就職したい!とか何かない?」

「ない。」

「そっかぁ、まだ2年生だもね…」
「じゃ質問を変える!」
「俺のこと避けてるのって始業式の日のことのせい?俺が注意したと思って怒ってるんでしょ〜?」

「そんなことない」

「俺に心を開いてほしいな。担任だよ?仕方ないか、俺信用されてないもんね」
「俺、先生向いてないなぁ〜って何度も思うことがあったんだよね。」
「正直今回もそうに思ってる」

「なんで?」

「歌に嫌われちゃって、まともに話もしてもらえないんだもん」

「先生はみんな同じでしょ、他の先生みたいにアタシのこと放っておけばいいんだよ」

「そんなこと俺はしない」
「生徒との信頼関係を大事にする先生だからな??☆」

「キモすぎ、ドヤ顔するなよ笑笑」

「あ、やっと笑ってくれた!」
「歌はさ、笑ってた方が可愛いよ!いつも睨んでたり、不貞腐れてたり、勿体ないよ!」

「別に可愛いなんて思われたくないよ!」

「素直じゃないんだから〜」
「俺の何が嫌だ?嫌なことがあるから教えてよ。口臭い?それなら休み時間毎に歯を磨くよ??笑」

「違う、笑笑」
これは言ってもいいのかな。

「なに?俺に教えてよ」

歌は顔を赤くして答えた。
「体調悪くなった時助けてもらったのが、恥ずかしかった。だから関わりたくなかった。」

「はっはっはっはーーー!笑笑」
「そんなこと??歌って結構ピュアなんだな?」

「うるせぇよ。」

「俺、先生やって3年経つんだよ、そんなこと普通のことだから!笑笑」

「そうなの?」
アタシが思っていたより、深刻じゃなかったのかな??

「俺の何が悪いんだ〜!って毎日悩んでたんだよ!」
「じゃ、もう今から仲良くしよう!」

「仲良くはしない。だって先生は全員アタシの敵だもーーーん♪」

「またまた〜笑笑」

最後は楽しく、面談を終えた。

九重は何も思ってなかったんだ。

アタシが考えすぎだったのか、よかった。

他の先生より、アタシの話をちゃんと聞いてくれる。ちょっと嬉しかった。