サッカーでは技術やルール面だけでなく足の速さも関わってくるから、俺も足がもう少し速ければと何度思ったことか。



電車に乗っても外は見慣れた景色ばかりで、つまらない。

たった二駅だから苦でもないんだけど。


「あっ、鳥がいっぱい飛んでる!」

すごーい!と、ももなは外を眺めていた。

平日は毎日乗っているのによく飽きないなと思いながら、なんとなく外の景色へ背を向けた。


「あ……」

ドア付近に立っている俺らの向こう側のドア。


そこには、緑の生地に白いリボンのセーラー服に三つ編みの女の子がいた。

その子とバッチリ目が合って、思わず目をそらす。


とたんに心臓が早鐘を打ち始めた。


何で、どきどきするんだ。