駅を出た先は、ほんとに青い海が広がっていた。


もっと近くまで行けば砂浜が現れ、ざさあっと波の音がする。

「綺麗な音……」

隣では、あの子が耳を澄ましてそう呟いていた。

身体を包み込むような潮風が吹くのを感じていると、隣からまた声が聞こえてきた。

それに、俺も耳を傾ける。

「波の音が激しい音なのは、きっと砂浜がそうしているんだね」


しゃがんで少量の砂を手に取る。俺はただそのゆっくりとした光景をただ見つめていた。


「波が砂に擦れるような……。そんな音」

海に近寄ってみると、青じゃなくて実際は透明なんだなって思う。


手で触れると、秋だからか意外に冷たかった。


「ねぇ、清水くん」