不毛なやりとりの末、後日はなびは本当にサンタコスをしてくれたけど。

それと引き換えで、クリスマスデートに行くことになったらしいはなびの服を俺が選んであげることになり。拷問みたいな気分を味わったのは言うまでもない。



「クリスマスに、年越しに……

結局いつも俺らここにいるよね」



「あーあ、悲しいのなんの……」



「面白くないからとりあえず椿告れば?」



「いま以上にこの空間気まずくなるけど!?」



面白くないから告れとか言われても困る。

結局俺はクリスマスも3日とも駆り出されたし、年末の今だってこうしてたまり場にいる。まあ俺に限らず、みんな揃ってんだけど。



はなびは追加の買い出しに付き合って外に行ってしまったから、今いないだけで。

わいわいと騒ぐ中、染だけは真面目に手伝いをしていた。




「ただいま。

ねえ椿、明日元旦だけど来ないの?」



「おかえり。そ、俺明日は来ねえの」



「……あさっては?」



「明後日?

何もないし、来る予定だけど?」



どした?と聞けば、はなびは首を横に振る。

「つーちゃんだけ1日遅れであけおめだねー」という穂の言葉に、同意するようにうなずいていた。



「じゃあ、椿はまた2日後にね」



騒ぐだけ騒いで、中学生組は補導されない時間に帰宅。

一緒に年越しできれば良かったんだけど、一応ルールだから仕方ない。──やけに俺が来る日にはなひがこだわっていた理由に気づいたのは、その2日後、たまり場に到着した時だった。