彼女を選びながらも

私に伸ばす手を拒めなくて――



滑稽なのは私?




男なんて簡単に裏切る生き物。


だったら最初から信用しない。


そんなもの要らない。


欲しくない。



『もう疲れた。
自分だけを見てくれないなら
そんなのいらない。』



「待てよ!
俺やっぱカスミじゃないと」





そうやって引き留めて


その場しのぎの言葉で


私をがんじ絡めにするんでしょ。





私もあの人も手放さない癖に。





だから――




『私はもういらない。
サヨナラ』



私から終わりにしてあげる。




振ったのは私?



それともあなた?