「何だっつーのはこっちの台詞よ。人のデートに付いてくるような真似しちゃって」

「だ、だから…!それは違うって…
私もたまたま職場の人に映画を誘われただけであって…
別についてくるつもりはなかったんだってば…」

「白々しいな。気が付かない振りしてたけど、あんたの視線はずーっと感じてたんだから。

あ!すいませーん。牛タン追加でーッ」

「ちょっとあんたあ…人の金だと思って…」

さすがは中学生の食欲。 ランチメニューじゃ飽き足らずに追加注文をしまくる。
ブーブー文句は言っていたが、聞く耳はなし。

仕方がないだろう。他意はなかったとして(…絶対に無かったもん)偶然居合わせてしまったのだから。

しかも彼、こっ酷く振られちゃってたし。それもそれでまた無念だ。

「それにしてもあんな所で振る事もないでしょ~?
結構可愛い顔した男の子だったのに勿体ないなあー」