「また真白ちゃんと桃菜ちゃんは喧嘩しているの~?
いい加減一緒に暮らして一ヵ月になるんだから少しは仲よくしたらいいのに。
あ!桃菜ちゃん、最後のヨーグルト食べちゃったの~?!朱莉が食べようと思ったのに~…」
「このヨーグルトは桃菜が買ってきたものだもん~。まだゼリーが残ってたよ~」
「ちぇッ!もっと早く起きてくれば良かった~」
そう言いながら冷蔵庫からゼリーを取り出すのは、小早川家の次女、朱莉である。
小学六年生の12歳。 反抗期はまだまだ迎えていないらしく、はじめは警戒されていたがここ一ヵ月で普通に話してくれるようになった。
真ん中っ子らしくどこか飄々としている。 そして要領が良く、空気が読める。
長女程のブラコンではないが、お兄ちゃんは大好き。 それでも小早川家三姉妹の中で一番早く打ち解けられた子である。
「桃菜ちゃん、今日は仕事早いの?」
「うん、今日はオープンからだからね。」



