それと同時に館内から出て来た真白とばっちりと目が合った…ような気がした。
サッと身を隠すようにその場にしゃがみ込んだ。 セーフ。
名前を呼んだ瀬能さんを見上げると、彼は少しだけ照れくさそうに頭をかいた。
「…どうしました?」
「この後どうする?もし良かったら食事でもどうかなーって
昨日の夜に蛯原さんが好きそうなお店何件か探してピックアップしておいたんだ」
「あー…あー…そうですよね」
そりゃそうか。 映画を見てハイさよならって訳にはいかないもんね。
男性にデートに誘われるなんて今まで何度だってあった。
大抵は食事や飲みに誘われる流れになる。 そして男はあわよくばその先の事まで考えている生き物だ。
別にそれを悪い事だとは思っていない。 私に近づく男は何かと目的のある男ばかりだ。
本気で好きだと言ってくる男もいれば、明らかに遊び目的な男もいて
プレゼントを貰ったり、色々として貰ったり、互いの利害関係の一致の中で成り立っていた。



