【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた


耳元に唇を近づけるように小さく囁く。

「瀬能くん、だっけ?」

「何?瀬能さんがどうしたっていうのよ」

「さっきから視線が突き刺さるように痛い。
どうやら俺の勘違いでなければありゃお前に気があるな」

「っ!別に碧人さんに関係ない事じゃない!
つーか離せ!こういう現場を周りから見られると余計誤解されるんだ!」

確かに私達の話している現場を瀬能さんは見ていた。 ~~!だからって碧人さんと絡むとまた余計な誤解を産むだけじゃないか。

逃げるようにバックヤードに戻ると、瀬能さんは何とも言えない表情をしていて、それとは対称的に梓さんはニヤニヤとした顔をしていた。

もぉ~~~~!!!
職場で私に絡むの止めて欲しい…!