しかしそのボロ家には碧人さん以上のくせ者が存在していたのだ。
家族構成は父親と三姉妹。
父親は碧人さんとはちっとも似ていない中年のだらけたおじさんだったけど……
15、12、10歳と続く妹達は、兄の連れて来た得体のしれない女を見て明らかに難色を示した。
そうやって私の悪魔たちと地獄のような生活は始まってしまったのである。
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「おお、おはよう!桃菜ちゃん!今日も朝から仕事か~」
「はは~。おはようございます~。そうなんです~今日は早番なんですよぉ~…」
まず、小早川家の大黒柱(?)である碧人さん達の父親。
小早川 秀人は現在50歳で、大工をしているらしい。
身長も高くガタイはいいけれど、気は優しく典型的な過保護な父親といった感じである。 厳格さはさっぱりない。
むしろ顔も性格も碧人さんにはちっとも似ていなくて、どこか頼りない天然系である。



