【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた


「何?珍しく褒めてるから照れてんの?」

「そんなわけないじゃ~ん!!!つーか全然褒められてると思ってないから!
どっちかっていうとディスられてる気がするもん!」

「俺的に褒めてるんだよ」

そう言いながら碧人さんは私の膝の上にぬいぐるみを置いた。
これは、動物園に売っていた物だ。
持ち上げてまじまじと見て見ると、それはどうやらレッサーパンダのようだった。

「これ、桃菜に?! 碧人さんが買ったの?!」

「真白達にお土産買っていこうと思ったら、先に桃菜が買っていたから。
だからまあ、そのお礼っていうか」

信号が青に変わると碧人さんは前を見つめて車を走らせた。 口元が僅かに上がっている。
その横顔を見て、心拍数が上がるのを感じる。

今まで男性からは色々なプレゼントを貰ってきたけれど、こんなに嬉しく感じるプレゼントは初めてだったんだ。