「藍ならペンギンが好きだと思うけど?」
「ペンギンね~。じゃあ三姉妹に色違いでペンギン買っていこうっと」
一緒に暮らしているといつの間にか情がわくものなのだろうか。
ちなみに私は少女時代に学校の女友達にお土産を買っていった事はない。
むしろ友達っつー存在もいなかったし。
だから三人の喜ぶ顔を想像すると、想像以上に楽しい気持ちになって不思議だ。
三人分のぬいぐるみを購入するとお土産屋さんを出る。 すっかり時間も夕方を回っていた。
碧人さんに突然出掛けようと言われた時は驚いたけれど、こういう休日も結構悪くない。
車内から見た大きく沈む夕日も思わず惚れ惚れとしてしまう程気持ちの良い一日だった。
「本当に楽しい一日だった。碧人さん、一応ありがとうね」
「一応って何だよ。一応って」
「ハハ、最近出かける事もなかったなあって思って
すっごい息抜きになったよ。 それに動物園なんて超久しぶりだったし!
それに動物園を純粋に楽しめたのは初めて。
だって今まで男とデートに来て大して興味もない動物に可愛いって言って自分が可愛いって思われるイベントだったから」



