「うわあ、近くで見ると迫力ありますね」

「うん、そうだな。」

「もっと近くでみたい! あ!碧人さんあっちの方がよく見えますよ。移動しましょう!」

「何だよ、猛獣なんて怖い~とか言い出しそうなのに乗り気じゃねぇか」

「これが落とそうと思っている男の前だとそうしますけど
碧人さんの前で可愛い子ぶったって意味ないでしょう?」

可愛い動物も癒されるけれど、猛獣館も中々悪くない。 動物園に行かなきゃ絶対に見れないものだし。

その後も爬虫類館に回り、ペンギンなども見て想像していたよりもずっと楽しい休日を過ごしていた。

平日だけど晴れ渡った冬の今日は、カップルや家族連れも中々多い。

特に幼い子供を連れてきている家族を見ると、微笑ましい気持ちになる。 誰もが幸せそうな顔で笑っているように見えた。

お昼ご飯を館内で食べ終えて、お土産売り場でお土産を選ぶ事にする。
何故か考える事といえばこの場にいない三姉妹の事だった。

特に末っ子の藍が私達が動物園に行ったと知れば羨ましがることだろう。 あの子はまだまだ子供なのだ。

私からしてみれば真白だって朱莉だってまだまだ子供に枠組みに入るのだろうが。なにぶんあの子達は大人びている。