第十章 振り返ればいつもあなたがいてくれた。




「皆には報告しておこうと思うけど、俺桃菜と結婚するから」

小早川家に帰ってきて家族を集めたかと思えば、碧人さんは軽い口調で私と結婚すると言った。
隣に座っていた私はあんぐりと口を開き、碧人さんの横顔を注視した。

「はぁぁああああ?!!?」

どういうこと?そりゃああの流れで付き合うっていうのは何となく分かったけれど、いきなり結婚?!

むしろプロポーズもされてないじゃん…!
しかし秀人さんや真白達は声を上げて喜んでくれた。

「おお…!本当に桃菜ちゃんが俺の娘になるのか……。そうだよな、碧人ももういい歳だもんなあ。
それはそれはおめでたい!」

「何よ…何だかんだ上手くやってたんじゃないの。はぁ~…二人が喧嘩している時は心配したんだからさあ…」

「桃菜ちゃんとあお君が結婚したら、私達と本当の家族になるんだよね?!
嬉しいね!藍!」

「うん。嬉しい。 桃菜ちゃんがこれからもずっと家にいるんだよね?」