「携帯を全然触ってませんでしたあ…
てゆーか迎えになんか来なくたっていいのに…
電車だってまだ通ってますし!」

「またふらふらとどこかに行かれたら困るからな」

何を…人をまるで野良猫のように…。

「それより伊織、真凛さんが相当酔っているようだが」

ちらりと視線を向けると、まだ顔を真っ赤にさせた真凛ちゃんが観葉植物に話しかけていた。

「おお……真凛は酔うとああなるんだ」

「お前がきちんと介抱しろよ。
じゃあ、桃菜行くぞ」

「ひッ!!!はぁい!!!!」

手を引っ張られるまま真凛ちゃんのマンションを後にする。
心臓がまだ飛び跳ねるようにドキドキと鼓動を刻んでいて、まだまだ冷静になれそうもない。

すっごく気まずい…。
伊織さんがあんな事を言うから!それをまさか碧人さん本人聞かれちゃうなんて…。

もう~、バカバカバカ!最悪だよ…。