「碧人さんはすっごく苦労してるのにそれを表には出さないし!
確かに悪魔で悪党で意地悪で嫌味も言うけれど、本当はすごぉーくすごぉーく心が優しいんです!
家族を大切にしている所も素敵だし、伊織んみたいに親の力で学校に通わせてもらったんじゃなくって、自分の力で勉強頑張って頭がいいのもかっこいいし
それに顔だって好みによるかもしれないけど、一般的には伊織んより癖がなくてイケメンです!!
それに何より碧人さんは思いやりがすっごくある人なの!だからそんなに悪口ばかり言わないでよぉ!
真凛ちゃんが趣味悪いだけで、伊織んより碧人さんの方が何百倍もかっこいいんだから!!!」
私の余りの気迫のせいか、伊織さんは口を金魚みたいにぱくぱくさせて顔を青くさせた。
このままじゃブちぎれられそうだ。
話が通じないのは前々から分かってはいた。 だから要真凛ちゃん必須なのだ。
「そういうのは本人を前にして言えよ」
はぁーとため息を吐くと、伊織さんは私の後ろを指さした。
背中にぞわりと冷たい物を感じた。
おそるおそる振り返ると、そこには……



