【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた


「伊織ん!!!! 余計な事をいうのは止めて!伊織んが余計な事を言うとますます話がややこしくなる気がする!」

「じゃあ何だよ。 だってお前碧人が嫌いなんだろう?
まあ、分かるよ。 碧人より俺の方がイケメンでかっこいいしな。真凛もいつも言ってる。伊織が世界で一番かっこいいって
そりゃあ身長は少し碧人の方がデカいけれど、俺は市ヶ谷 伊織だしな。
お金も持っていて、高学歴な上に日本人離れしたイケメンだろう?
まあ桃菜も友達の旦那がここまで完璧だったら、男を見る目が肥えるのも仕方がないだろう」

マジで、こいつ……。 真凛ちゃんの旦那さんじゃなかったら絶対に関わりたくないタイプだ!

「碧人さんの事嫌いなんて一言も言ってません!
それに碧人さんは、伊織さんより素敵な人ですよ?!」

「なッ……」

茫然とした顔をして、伊織さんが目をぱちくりと瞬かせる。 かなり間抜けな表情である。

それにしても癖の強い男だわ。 下手に手を出さなくって大正解。 こういうタイプは真凛ちゃんみたいな女の子じゃなきゃ上手に扱えないだろう。