「変わったのは真凛ちゃんの方でしょう?私の知っている真凛ちゃんはしっかり者で、いつだって周りに目配り気配りの出来る人で
あんな風に醜態を晒すタイプじゃなかった。
きっといつだって気を張って生きて来たのね。でも、伊織んと一緒に過ごすようになってその必要がなくなったんだろうね。
それってすごい事だし、きっと真凛ちゃん幸せなんだと思う。 伊織ん、これからも真凛ちゃんをよろしくお願いします」
再びぺこりと頭を下げると、伊織さんはにんまりと嬉しそうに笑う。
分かりやすい人…。
自分のお陰で真凛ちゃんが変わったと思えば、嬉しいのも無理がないか…。
そんな元しっかり者だったはずの真凛ちゃんは相変わらず観葉植物に向かって「小早川さんもありえない!」と一人で騒いでいる。
やれやれ、といった所である。
「まあ、真凛の事はスパダリの俺に任せておけ」
「スパダリってどこでそんな言葉覚えてきたんですか…伊織んが言うとドン引きなんですけど…」
「な……真凛がこっそり読んでいる小説や漫画にはよく出て来る言葉だが?!」
「へーそうなんですね。ちなみに私も小早川家の姉妹たちと漫画を共有して読んでますが…
真凛ちゃんってそういう阿保そうな漫画も読むんですね。新発見だわ…」



