「真凛ちゃん…酷い……桃菜だって悪魔じゃないんだから…」

「そんなの分かってるよ!桃菜はmarinで働きだして、小早川さんちに行ってから変わったよ?!
ちょっと~~~…泣かないでよ……
そんなの桃菜らしくないって。桃菜は嘘泣きだけでいいよ。マジ泣きはきつい……」

真凛ちゃん…優しい声で結構酷い事言ってるよ。
けれど彼女の口から’小早川さん’と名前が出ると、更に涙が止まらなくなってしまう。

「うう~~…碧人さん…ひっく…」

「え?!小早川さん?!小早川さんに何かされたの?!
桃菜いっつも意地悪されてるって愚痴ってるよね?!
大丈夫?小早川さんにいじめられて辛い?伊織に言っておいてあげよっか?出来るだけ優しくしてあげてって…」

ここまで来ても、真凛ちゃんは優しい。
ハンカチを差し出され、それを手に取ると思いっきり鼻を噛んだ。