「桃菜、真凛ちゃんがずっと羨ましかった…。
本当は真凛ちゃんみたいに真っ直ぐで、人に好かれる子になりたかったけれど
桃菜は絶対そんないい子にはなれなくって…。
だから真凛ちゃんの大切にしている物を壊して、優越感に浸ってただけなの…。
そんな事しても自分の欲しいもの、手に入れられるわけないのにね」

「桃菜……泣いているの?」

心配そうに私の顔を覗き込む真凛ちゃんは、超が付く程のお人好し。
困っている人がいれば放って置けない所が、少しだけ碧人さんに似ている。

自分本位に生きて来た私には、二人のそういう優しさが理解出来ない。
理解は出来ないが、その温かさに触れて自分の中に少しずつ変化が産まれるのは感じる。

「う…ぐす…」

「ちょ…マジで桃菜らしくないよ?!どうしたの?!
桃菜はもっと図々しくって我儘じゃなきゃ…いきなりしおらしくなっても困る!」