「当たり前に結婚願望あるよ。
ってか、元々なかったんだけどさ…
だって桃菜、温かい家庭で育ってきた訳じゃないから、自分の家族を持っても上手く出来なさそうだし
むしろ子供の扱いとかも分かんないからね。
でも、桃菜一人じゃ生きれないもん。だから、絶対高学歴イケメンに会って玉の輿にのるの! …そんな打算だらけの結婚で幸せになれるかは分からないけどね」
真凛ちゃんは伊織さんと結婚してとても幸せそうだ。
身近でそういう人を見て、結婚生活を観察しているとそのどこにでもある幸せがいつか自分にも訪れるかもしれないかもと思う。
けれど………私はどうだろうか。
今まで誰かよりも自分を優先に生きて来た。
私は誰かを幸せにしたりできるんだろうか。 いや!絶対無理!…けれど、ひとりぼっちの老後とかそれももっと無理!
想像さえ出来なかった。 他人と家族になる事。 血の繋がった家族とも上手に家族になれなかったのに
けれども小早川家で過ごして、一筋の光が見えたのも事実なんだ。
全く血が繋がらない他人達との共同生活も、悪くないって思えた。



