「行き遅れって桃菜の事~~~~???」
「お前以外誰がいるんだよ」
「もぉ~~桃菜まだ25歳だよ?!
まだまだ行き遅れて歳じゃないもん~~
本当に碧人さんは口が悪いなあ~。ムカつく~
桃菜が行き遅れっつーんだったら碧人さんだってそうじゃん。 碧人さんの方がおじさんなんだからね?」
’おじさん’というと、碧人さんは顔をぴくりと引きつらせる。
「俺のどこがおじさんなんだよ?」
「だって碧人さんは結婚しててもおかしくない年齢でしょう? 桃菜の事言えないんだから……」
「結婚なんて考えた事ないな…」
「そおなの?
あんなに完璧な彼女がいたのに結婚考えた事なかったんだ」
ここでの完璧な彼女というのは、藤枝さんをさす。
大学時代から、ボヤージュに入社してからも付き合ってたんだよね。
きっと私が思うよりずっと長い付き合いだったのだろう。 碧人さんは結婚を考えた事なかったのだろうか…。



