「碧人さんが必要以上にデカいから、桃菜まで目立っちゃう~…」
「そうか?俺がデカいだけじゃなくって、お前が小さすぎるんじゃないか?」
確かにこういう改まった場所で並ぶと、デコボココンビだ。
それにしても碧人さんと並ぶと彼を見上げてしまわなくてはいけないので、首が疲れる。
「校庭の庭にあった桜のようでよく似合っている」
「え?」
「そのワンピース」
「そ…そそですか…。それはそれはどうもありがとうございます…。」
ついつい下を向いて照れているのを隠してしまう。
卒業式に着て行く洋服を、前日までずっと悩んでいた。
そうしたら、卒業式前日いきなり碧人さんが私にワンピースを買って来たのだ。
驚きすぎて、言葉を失った。
高熱を出したり、瀬能さんが家に来たり近頃バタバタしていた。
その瀬能さんに突然告白までされちゃったものだから、病欠の後の出勤は気まずかった。
そんな中、碧人さんが私にワンピースを買ってきた。