ただの自分勝手な我儘女だと思っていた。
けれども俺の目から見ても、桃菜は変わっていった。

変わっていったのか、元々持っていた物なのかは知らない。
けれど一緒に居るのは…正直楽しい。

「でも少しでも迷惑だったらさっさと追い出しちゃっていいんですからね?」

心配そうな真凛さんを前に、こくりと頷く。

いつの間にか、振り返ると彼女がいる風景が当たり前になってしまった。
元々賑やかだった我が家だけど、彼女が居るだけでパッとより一層明るくなった気がする。

家に欠けていた物を、まるで彼女が持っていたように
それはまるでずっと探していたような物で……

いつの間にか、皮肉めいて笑う優しい小悪魔を離せなくなってしまっていたのは
一体誰だったのだろうか。