「お前さ、瀬能くんと付き合う気なんてないんだろう?なら気を持たせるような事をせずにきっぱりと振ってやれよ」
「…別に付き合う気ないなんて言ってませんけど…未来の事はまだ分からないですし」
「はぁ?!じゃああいつと付き合うのか?
あんな奴…お前の上辺だけしか見てない。
そりゃあお前はパッと見背も小さくて童顔だから可愛らしく見えるかもしれないけど、実はそんなに大したことないぞ?どこにでもいるような顔だろ?
それに性格だって我儘で自己中だろう?瀬能くんみたいな若い男がその我儘さに耐えきれるわけないじゃないか。」
そこまで言うと、桃菜が涙目になって両手をぷるぷると震わせていた。
言い過ぎた。そう思った時にはもう手遅れで…
違う…お前をディスりたかったわけじゃなくって…
お前が付き合うのだとすれば、そんなお前の悪い所も全部ひっくるめて好きになってくれるような
懐の広い男の方がいい…。俺はそれが言いたかっただけで。
「ほんっと、碧人さんってムカつくね!
怒りでまた熱が上がりそうだから、桃菜もう寝る!」
そう言って部屋に入ってしまった。



