【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた


学生時代から成績が優秀で、何でも出来る子だったらしいが
高校には推薦でとあるエスカレーター式の進学校に進んだらしい。

外部の人間が余り入学しないその学校で碧人さんは相当苦労したらしい。 けれども高校でも碧人さんは優秀だった。

大学受験の時、希望していた大学はA判定だったらしいがその時小早川家はピークでお金がなかった時で、大学進学を諦めて働こうとした碧人さんに助け舟を出したのが
…現在勤めるボヤージュの会長であり、伊織さんのおじいさんだったそうだ。

彼が入学金諸々を担ってくれたお陰で大学を無事卒業できたらしい。  伊織さんに頭が上がらない理由も頷ける。

歳の離れた三姉妹の面倒を見ていたのも碧人さんで、特に母親が亡くなった後はずっと母親代わりを努めてきた。

しかし文句の一つも言った事はないそうだ。
こうやって言葉だけ並べると聖人のように思われるけれど

「仕事の調子はどうだ?」

「まあ、別に普通。 てゆーか元々桃菜接客業は得意だもん!」