第六章 悪魔が優しく私を誘惑してくる。




「ウーン……ウーン……」

まさか翌日に39度を超える高熱を出すとは夢にも思わなかった。

「桃菜ちゃん、大丈夫?」

「うん……大丈夫。いっつもは高熱が出たらすぐに下がってケロッと治っちゃうんだけど……」

「お粥作っておいたから後で食べなよ?
あーー…朱莉と藍は部屋に入って来ちゃ駄目!
桃菜ちゃんの風邪がうつったら困るからね?」

扉の前に朱莉と藍の心配そうな顔が見える。
二人に心配をかけないように笑ってピースをするが、大分しんどい。

熱を出す事は子供の頃からよくある事だった。 小さい頃はお父さんがすごく心配してくれた。

大人になってからは熱は上がり切ってしまえば後は下がるだけと学び、多少しんどいのも我慢出来るようになった。

こうやって熱を出して体調を崩すと、真凛ちゃんの事を思い出す。