けれど大きな手のひらが私の腰を掴むと、びくりと体が疼く。

「こ、この私がこ、こんな事位で照れるわけな……
本当に止めて下さいよ…。欲求不満かっての…」

「別に女に不自由はしていないけれどな」

どこまでいっても余裕綽々なその態度が気に食わないのよ。

「そうですねぇ。碧人さんには藤枝さんもいますし。
元カノだって言って、まだ関係があるんじゃないですかあ?」

「何…?妬いてんの?」

「な、誰が…!あんたなんかに!」

何のつもりか全然分からない。 私を膝の上に乗せた碧人さんは、大きな両手で腰をがっちりと掴んでいる。

同じ高さの目線。目が合うと、意地悪な笑顔。  これは人をからかって楽しんでいるような悪魔の微笑みだ。

息を吸うだけで碧人さんの香りが流れ込んでくるほど、近い。  自分の体が尋常じゃない程熱いのを感じる。

真っ赤になっているであろう顔と、余裕な笑みを浮かべる碧人さん。
これじゃあ……私が意識してるみたいじゃない…!