碧人さんのタイプは何となく分かる。きっと彼は私みたいな女が一番嫌いだ。
我儘で性格が悪くって人の物ばかり欲しがる馬鹿な女。
見た目も性格も子供っぽくて、男にチヤホヤされる事だけに命を懸けている腰掛けOL。
きっと碧人さんのタイプの女性は、藤枝さんのような大人な女性だ。
仕事もばりばりとこなして、男性に依存しないような……。 私はきっと、男に誰かに頼らないと生きて行けない。
今は小早川家にいるけれど、ここから出て行ったらまた男に面倒を見て貰って甘やかされて生きるのだろう。
けれど………本当に私を愛してくれる人はきっとこの世に居ない。
こんな事を考えているなんて碧人さんに悟られたくない。 いつものようにケラケラと笑いながら何も考えていない振りをして軽口を叩く。
「すっごくお似合いですね~。超美人だったし、背も高いし~~
碧人さん巨人だからお似合いでした~~」
「人を巨人扱いするなよ」
「桃菜にしてみたら巨人だし、見下ろされてると超怖いですもん~」
「見下ろされていると、怖い?」



