ぼそりと呟くと、また碧人さんは目を細めて笑った。
優しい笑顔は会社でよく見る。
けれど時折見せる屈託のない笑顔は、何故か胸を締め付けられるような気持ちになる。
皮肉めいてるわけでもなく、建前上の営業スマイルでもない、碧人さんの本当に楽しそうに笑う顔。 その顔を見ると何故かこちらまで嬉しくなってしまうんだ。
「ぷはッパンツスーツってそんな柄かよ」
「あ、また桃菜の足が短いから似合わないって思ってるんでしょう?」
「桃菜は背が小さいからな。ワンピースタイプの方が似合うんじゃないか?」
「あっそ。じゃあ、碧人さんがプレゼントしてよ」
「いいよ」
冗談で言ったつもりが、何故か優しく返されて焦る。 碧人さんにプレゼントを強請ったり、貢いでもらうつもりなんか一切なかった。
今までの男性にされて嬉しかった事は、何故か碧人さんにされても嬉しくはないだろう。 何故だかは分からないけれど



