「それならやっぱり行くよ。今更行かないって言っても嘘ついたーって責められたら嫌だし。
子供の卒業式に出るのって初めてで緊張しちゃう……
ねぇ、碧人さん、どんな洋服を着て行ったらいいのかな?スーツとかでいいんだろうか…」
「ド派手でぶりぶりじゃなきゃ何でもいいんじゃねえか?」
「む……何よ。桃菜がいつもド派手でぶりぶりな洋服着てるみたいな言い方止めて!」
「ド派手でぶりぶりじゃん…」
何とも言えない。
もう25歳なんだからそろそろ大人の女性を目指そう。と思っても、シックな服なんて似合わないんだもの。
もともと童顔だから可愛らしい洋服ばかり選んで着ていた。 それを思い返せば、今日パンツスーツをさらりと着こなしていた藤枝さんの事思い出す。
彼女の事を思い出した途端、また胸がモヤモヤする。
ジッとベッドに座る碧人さんを見上げると、碧人さんは唇を尖らせて「何だよ」と突き放すような言い方をした。
「パンツスーツでも新しく買おうっかな…」



