どの位長い期間付き合っていたのだろう…
どういう付き合い方をしてきたのだろう…
一体何が原因で別れてしまったのか。 考えないようにしても二人の事ばかり考えてしまう自分が、心底嫌だった。
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小早川家に帰ると新たな問題が勃発していた。
久しぶりに皆で夕食を囲む事が出来た。 今日は真白お手製の鍋であった。
小早川家の冬には鍋が並ぶことが多いらしい。 真白いわく簡単で栄養が取りやすいからだそうだ。
因みに私はこんな大人数で鍋を取り囲むのは初めての経験で、初めは嬉しかったしドキドキしたのを覚えている。
まだまだ冬の寒さが残る体に鍋の温かさと出汁が染みる。
「ええー?!お父さん卒業式これないのぉ~?」
朱莉の悲痛の叫びが食卓に響いていた。
「す、すまん……」
「前から卒業式のプリント提出してたのにさあー」
「小学校の卒業の日も、中学の卒業の日もちょうど早朝から千葉の現場が入ってしまったんだ…」
秀人さんは珍しくしょんぼりとした顔でそう言った。
朱莉はぷくりと頬を膨らませていたが、真白は慣れ切った感じで言う。



