「真白も学校遅刻しちゃうよ。 洗い物は桃菜様に任せなさい。
大人だから全然時間に余裕あるよ。」
「大人って…
おばさんなだけじゃん。」
「もぉ~…あんたは一言多いの!可愛げないなあ~。
それに今日は早番だから夕ご飯は桃菜が作るよ。 帰りスーパー寄ってこうと思ってたし。
今日は新作のお菓子が出るの~!」
「うわあ、今は痩せててもおばさんなんだから太るのはあっという間よ?気を付けた方がいいわよ」
「だからうるさいっての!」
「まあ、ありがとうね。 フンッ……私も学校へ行く準備しようっと」
’ありがとう’は悪い気がしない。
食器を洗いながら、生意気盛りの真白の後ろ姿を見つめる。
グチグチと小姑のように口うるさい真白だったけれど、人一倍家族想いだ。
それに朱莉は人懐っこく私を桃菜ちゃん桃菜ちゃんと呼び色々な話をしてくれる。
藍はまだまだ心は開いてくれそうにないけれど、人見知りな所さえいじらしく可愛く見えてくる。



