【完】ひとつ屋根の下、気がつけばあなたがいた


瀬能さんはいつもさり気なくフォローしてくれている。 一回デートしてみた時もいい感じの子だとは思っていたけれど
本気で性格は良さそうだ。

モテない事はないだろう。少し頼りなさげだけど、それは社会人一年目だから当然。
子犬っぽい人懐っこさと可愛らしさがある。

そんな瀬能さんからは相変わらず連絡が来る。二回目のデートのお誘いは保留にしたままだ。

仕事が終わったら小早川家の家事や、休日もなんだかんだ忙しい。 それを理由にして、彼の誘いを断り続けていた。

裏に周りパソコンのキーボードを叩きながら、考える。
いつもだったら取り合えずデートを重ねてみるのに……。

相性を確かめるために体の関係になる時もあるし、家が必要ならば彼のマンションに居ついてしまえばいいのに。

盲目的に私に好意を寄せる理由は、顔が可愛いからだろう。 自分で言っていてどうかとも思うけど、この世に絶対的に男ウケする顔はある。

そして私の顔面は男ウケする顔だ。
極上の美人ってわけでもないし、モデルみたいにスタイルがいいわけじゃない。
男が落としやすい丁度いいランクの女なのだろう。