「だって…桃菜ちゃんが来てくれなくなったら朱莉や藍も寂しがっちゃうよ?」

「そうかなあ…」

たった数ヵ月一緒に暮らした人の事なんて、直ぐに忘れてしまうんじゃないだろうか。
子供の中に流れる時間はゆっくりに見せかけて案外あっという間だ。
そして子供は忘れるのだって早いだろう。

「だって桃菜ちゃん、朱莉と藍と仲いいでしょう?好きな漫画も同じみたいだし、同じドラマ見てキャーキャー騒いでるじゃない」

それって小学生達と脳みそレベル一緒って事じゃんかね。
けれど真白にしては馬鹿にした言い方はしていなかった。 寧ろなんだか寂し気でこっちが戸惑う。

「それにお父さんは桃菜ちゃんを自分の娘みたいに可愛いって言ってた!」

「ふっ、秀人さんタイプの男に好かれるのは得意なのよ~」

冗談めかして言ったつもりが、真白は頬をぷくりと膨らませてちょっぴり拗ねている。
こういう所はまだまだ子供だ。

「それに、あお君だって寂しいよ……」