「まだ仲直りしてないの?」

「別に喧嘩してるわけじゃないし 仲直り云々の前に私達って元々そんな仲良くないし」

「何よ~?二人で動物園に行ったり楽しそうにしてたじゃんか」

「それもたまたまだし。」

「あお君とあんたが仲が悪いと家族の雰囲気も悪くなるでしょう?! 藍だって小さいのに気を遣って可哀想」

「別に元々仲良くないんだから皆に気を遣ってもらわなくって結構!
大体桃菜家を出るしね」

家を出る、と言ったら真白の手が止まった。 そして不安そうにこちらを見つめた。
切れ長のすっきりとした瞳が、困った様に垂れ下がる。

「え?!桃菜ちゃん家出るの?!いつ?!」

思った以上に大声を出されたので、こっちの方が驚いた。

実はまだ全然家を出る準備なんてしてないけれど…寧ろマンションも探していないし
大体真白は一人部屋に私が突然住み着くようになって迷惑をしていたはずだ。だから私が出て行く事は喜ばしい事だと思うけれど…。