「はいはい、’あお君’はかっこいい。 この話はおしまいね。
ささ、早く食べて帰ろう~~…」

無理やり話を終わらせたけれど、真白は何故かまだ不満そうな顔をしていた。

その後も真白と二人でスーパーに寄って夕ご飯の買い出しをして帰ると、その日の小早川家は私達以外全員既に帰宅していた。

「あれぇ?真白ちゃんと桃菜ちゃん一緒にお出掛けしてたの~?」

「うん……偶然会っただけ」

「え~ずる~い。朱莉達も一緒に行きたかった~」

「だから偶然会っただけって言ってるでしょう?
ああ、また茶の間散らかして!
お父さんもお休みだからって昼からお酒飲んでたんでしょう?!
もぉ~~~…朱莉と藍は宿題終わらせたの~?」

いつも通りの賑やかな小早川家だ。  こたつの中、秀人さんと碧人さんが向かい合って座っており
秀人さんの手にはお酒、碧人さんの手の中には小難しそうな小説があった。

碧人さんと目が合うと、不機嫌そうに眉をしかめられた。

逃げるように台所に行ってスーパーで買ってきた食材の入っている袋を置くと、ふぅっと小さなため息が漏れた。