第一章 ひとつ屋根の下?! 振り向けば悪魔がいる。




昔々ある所にどこに連れて行っても可愛いともて囃される一人の少女がいました。
少女は両親の自慢の一人娘でした。

父も母も少女をとても可愛がっていましたが、少女が幼少の頃母親が病気で亡くなってしまいます。
そこから仲良し家族だった家は少しずつ変わっていってしまったのです。

父親はそれでも家族を養っていかなくてはいけないので、仕事に精を出しました。
その間幼かった少女はとても寂しい想いをしました。

そんな少女を心配した父親は、少女が小学校に上がる前にとある女性と再婚しました。
もう一度、幸せだったあの日々を取り返す為に。

しかし継母となった女性とまだまだ幼かった少女の折り合いは余り良くありませんでした。


いつしか天真爛漫だった少女は、心を閉ざしてしまうようになりました。

再婚から二年後には、弟も産まれましたがそれによって少女と家族の溝はより一層深くなっていくばかりだったのです。

そうして少女は幸せだったはずの幼少時代を少しずつ忘れ、家族の輪から徐々に離れていく様になったのです。


’私は、誰からも愛されていない。’
振り返ればいつも、自分を除いた幸せそうな三人家族が
いつも少女の純真な瞳に映っていたのです。