だけどわざわざ避けるのも変じゃない?
こう思ってしまうのも、あたしが八方美人なせい?
「…別に良いじゃない
話しかけられたから話しただけよ」
「っ、無視すれば良いだろ!なんでわざわざ話したりするわけ?」
「なんでわざわざ無視しなきゃいけないのよ、何かされたわけでもないのに」
言い返したあたしに苦しそうに眉を寄せた絢くんは、黙ってあたしの手を引いて店の裏口へと連れて行った。
「…絢くん、戻らないと
店長が待ってるよ?」
「今休憩中だから大丈夫だろ
そんなことはどうでもいい」
そんなこと、って。
彼が今何を考えているのかわからなくて、
じっと目を見つめる。
そんなあたしを絢くんもじっと見つめるから、
2人して暑い中黙って見つめ合うという謎の状況が出来上がってしまった。
「大丈夫よ、ヨルくん最初こそちょっと怪しかったけど
悪い子じゃなさそうだし」
「そういうことじゃねえんだって…
もう、どうやったらわかってくれんの」

