意地っ張りな恋の話




「あーっつ…」


独り言を言いながらダラダラと歩く。

どこかにコンビニでもないかな、とキョロキョロしていると、見慣れた青い看板が見えた。

ラッキー、ここのコンビニのコーヒー美味しいんだよね。

自動ドアをくぐると外の熱気とは打って変わって涼しい風に包まれる。

ああ、爽快だ。



「…コンビニで深呼吸してる人初めて見たー」

間伸びした声に思わず身体が強張る。


恐る恐る振り向くと、昨日ぶりの真っ黒なパーマ頭が立っていた。

Tシャツとデニムというラフな格好なのに、身長があるせいか様になっているのが悔しい。


「…………」

「あ、ちょ、無視は無しね?避けるのもなし」

「…昨日の今日で馴れ馴れしく話せと?」

「……昨日は言い方悪かった。
許して」

「…は、」



あっさりと謝られて拍子抜けする。

これじゃまるであたしが意地張ってるみたいになるじゃん。



「…そんなあっさり謝られても」

「いや別に謝ってはない。
言い方が悪かった、って認めただけ」

それを世間一般では謝ると言うんじゃないだろうか。

どことなく気まずそうに目を逸らす様子がやけに年相応に見えて、
ああやっぱり高校生なんだなあと思った。