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喉元過ぎればなんとやら、


天災は忘れた頃にやってくる。


そんな言葉が頭を駆け巡っていた。


「ちょっと、黙ってないでなんとか言いなさいよ」


目の前であたしを睨みつけるその人は、
長い髪の間から飛びかかってきそうな勢いであたしを見つめている。

最近見てないから忘れてたよ。


あたしこの人に、突き飛ばされて顔引っ掻かれたんだっけ。