「柚璃、なんかあった?」
「っ、え??なんもないけど????」
「…目めっちゃ泳いでんぞ。
バイトで失敗でもしたんか?」
ば、バイト。
嫌なこと思い出させるなコイツは。
昨日の絢くんの顔を思い出してしまって慌てて首を振る。
「なんでもないってば」
「…そうか?あ、柚璃綿飴好きだったろ
買ってやるよ」
「…ありがとー」
綿飴の屋台の方へと進んでいく佐倉の後ろ姿を見ながらため息をついた。
もうここはバイト先じゃないんだから
忘れよう。
大きな綿飴を持ってやってきた佐倉にありがとう、と言ってそれを受け取る。
一口齧ってみると、あったかくて甘い綿飴が口の中に広がった。

